Moderato quasi Andantino

演奏するのも聴くのも大好き!楽典、ソルフェージュに西洋音楽史、クラシックに関することはなんでも知りたい音楽愛好家のブログ

音程の学習方法(3/3)

前回に引続き音程の学習方法をご紹介します。

 

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2.長音階を使う

 

この方法では、ハ長調からロ長調、12調全ての長調の調合を知っていることが大前提です。全て覚えることも楽器を習っていれば難しくはありませんが、五度圏の法則を知っていれば12調分の調合を丸暗記する必要はないので、ある程度音楽の基礎を知っていればこの方法も覚えやすいと思います。数字を覚える1番目の方法より楽ですしね( ´ ▽ ` )ノ

 

長音階、つまり長調のスケールに含まれる音と比較して音程を調べるのがこの方法です。

長音階では、音階に含まれる全ての音と主音(ハ長調ならド、ト長調ならソ)の音程は必ず長及び完全になります。

ハ長調の長音階を見ていきましょう。

主音のドと、スケールに含まれる7音との音程を1つずつ見ていきます。

左右の手の人差し指でピアノの鍵盤を押すイメージで読むと分かりやすいと思います。

 

まず1音目、ド =

主音のドと同じ音なので完全一度です。同じ鍵盤を二本の指で弾いている状態です。

 

主音 ド と2音目 レ = 長2度

 

主音 ド と 3音目 ミ = 長3度

 

主音 ド と 4音目 ファ = 完全4度

 

主音 ド と 5音目 ソ = 完全5度

 

主音 ド と 6音目 ラ = 長6度

 

主音 ド と 7音目 シ = 長7度

 

こうなります。ご覧の通り、長と完全の音程しかありません。前の記事で述べた様に、完全か長かは数字で決まります。1オクターヴ以下の音程では1、4、5は完全、それ以外は長でしたね。

ハ長調を例にしましたが、全ての長調で同じ音程を確認できます。黒鍵だらけの長調も、主音との音程は全て長か完全です。

これがきちんと理解できていればあとは簡単。知りたい音程の低い方の音を主音とする長音階に、高い方の音が含まれていればその音程は長または完全、含まれていなければ長または完全の音程と比較します。文章だと難しい( ;∀;)

 

<例題>

ミとソの音程を調べるとします。まず、3度ということが分かりますね。次に、低い音はミなので、ミを主音とした長調、ホ長調のスケールを使います。ホ長調の調合はシャープ3つ、ファ、ソ、ドです。高い方の音、ソはホ長調のスケールに含まれているでしょうか。ソのナチュラルはホ長調にはありませんね。つまりミ-ソは長3度ではありえません。では、この音程は長3度と比べてどうでしょうか。長3度はミとソ#ですから、ミとソ ナチュラルはそれに比べて半音1つ分狭い音程だということが分かります。長より半音1つ分狭い音程は短、つまりミ-ソの音程は短3度です。

 

ではファ-シはどうでしょうか。低い方の音はファなので、へ長調の音階で考えます。へ長調の調合はシbですので、シ ナチュラルはへ長調の音階にはありません。ファとシは4度で、減-完全-増 のグループなので、ファとシbだと完全4度。知りたい音程はファとシ ナチュラルで、完全4度の ファ-シb より半音1つ分大きいのでこの音程は増4度です。

 

このように、長調の調合がしっかり分かっていれば、スケールを使って音程を調べることができます。私にはこの方法が一番あっていました。特に6度の音程が出てくる時は、未だにスケールを使って考えてます。3度とかならすぐにわかるんですけどね^^;6度は考えないとわからない...。

 

では次、最後の方法です。

 

3.白鍵同士の音程を丸暗記する

 

強引な方法に思えますが、小さい子に教える時にはこの方法が一番オススメです!ピアノの鍵盤の並び方さえ覚えていれば大丈夫。調合の知識も大量の数字の暗記も必要ありません。

シンプルに説明すると、ピアノの白鍵同士の組み合わせの音程すべてを丸暗記するのがこの方法です。無謀に思えますが、ちゃんとルールもあるし割と簡単です。

1度:いうまでもなく全ての鍵盤において完全一度です。

2度:半音(黒鍵が間にない2つの音)ミ⁻ファ、シ⁻ドは短2度、他はすべて長2度。

3度:2音の間に半音が含まれているレ⁻ファ、ミ⁻ソ、ラ⁻ド、シ⁻レは短3度、他はすべて長3度。

4度:ファ⁻シは増4度。他はすべて完全4度。

 

とりあえず4度まで完璧に覚えられたらあとはとっても楽です。因みに3度の「2音の間に半音が含まれている音程」というのは、ミ⁻ソまたはシ⁻ドを含む音程という意味です。

 

5度以降は2度から4度までの音程を転回して考えます。

 

5度:シ⁻ファは減5度、他はすべて完全5度。

6度:2音を上下逆にし、3度の音程を作る。それが長3度の場合、6度の音程は短。短3度の場合は長。

7度:2音を上下逆にし、2度の音程を作る。それが長2度の場合、7度の音程は短。短2度の場合は長。

 

この「2音を上下逆に」することが「転回する」ということです。音程は転回するとき、長は短に、短は長に、減は増に、増は減に変わります。例えばラ⁻ファの場合、これは6度なので、2音を上下逆にした3度のファ⁻ラで考えます。ファ⁻ラは間に半音を挟んでいないので、長3度ということがわかります。つまり元の音程ラ⁻ファは短6度です。

 

5度も4度の転回で考えることができます。4度はファ⁻シが増4度ですので、それを展開したシ⁻ファは減5度になります。他はすべて完全です。(完全の音程は展開しても完全のままです。)ですが、わざわざ転回して考えるよりも、シ⁻ファだけ減と覚えたほうが5度の場合は楽だと思います。

 

白鍵のすべての組み合わせの音程を覚えたら、あとはシャープやフラットに合わせて音程を広げたり縮めたりするだけです。たとえばレ⁻ファ#は、白鍵同士の場合短3度であることを踏まえて、そこから半音音程がおおきいので長3度だということがわかります。

 

この方法、本当におすすめです。私自身はこの方法で音程を学んだわけではありませんが、教えるときはこの方法が一番相手に理解してもらえます。

 

以上、私がおすすめする3通りの音程の勉強の仕方でした。音程の覚え方や説明の仕方は他にもいろいろな方法が存在します。覚え方のストックを増やしていくのも面白いかもしれません。和音やスケール、転調などの音楽理論はすべて音程で語られます。理論のみならず、演奏にも活用できます。ちょっと変わった音程(増4度など)がでてくるところでは少し時間をとって大事にメロディーを弾くとか・・・。音程をきちんとマスターしていれば、音楽は演奏するのも聴くのも何倍も楽しくなると思います。

 

では最後に豆知識として、英語での音程の言い方をご紹介します。

数字は、日付や順位のように序数詞、つまりst、nd、rd、thをつけて表現します。(1st, 2nd, 3rd, 4th...)

長=major (M)  短=minor (m)  完全=Perfect (P)  

増=Augmented (A)  減=diminished (d)

書くときは基本的に、かっこの中のアルファベット1文字で示すことが多いです。数字の後のth等も省略できます。話すときは省略しないし、数字の後のthもきちんと発音します。例えば長3度の場合、書くときは M3 あるいは M3rd ですが、話すときは major third となります。アルファベットを省略して書くときは大文字と小文字の区別ははっきりつけます。

「音程」という言葉自体は、英語では interval といいます。

Listen to the interval!

音程をよく聴いて!という意味になります。楽器のレッスンで先生に言われるかもしれません。

転回は inversion です。

A4th is the inversion of d5th.

増4度は減5度の転回形である。

こういった具合に使います。

日本は音楽用語をほとんど和訳しているので、海外で音楽を勉強しようと思うと、日本人は結構苦労しそうです。自国の言葉で音楽用語を言えるというのは、誇れることなんですけどね。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。